「薔薇王の葬列」は“貴族ギャグ”?斎賀みつきらが第2クールと原作の見どころ語り合う

「薔薇王の葬列」第2クールトークショーの様子。左から日野聡、斎賀みつき、杉田智和。

菅野文原作によるTVアニメ「薔薇王の葬列」第2クールの先行上映会とキャストトークショーが、本日4月3日に東京・新宿バルト9で開催された。

「薔薇王の葬列」は、シェイクスピアの史劇「ヘンリー六世」「リチャード三世」を原案とするダークファンタジー。1月9日から第1クールが放送され、来週4月10日から第2クールに突入する。イベントでは第13話から第15話までが上映され、トークショーにはリチャード役の斎賀みつき、バッキンガム役の杉田智和、ケイツビー役の日野聡が登壇した。

この日放送に先がけて上映された第13話から第15話の感想を問われた斎賀。第12話から約10年もの時間が劇中で経過し、また薔薇戦争を題材とする物語ということから、斎賀はキャラクターが減ったことに寂しさを覚えたと語る。そのぶん新しいキャラクターも増えているため、斎賀はこの先も楽しみにしてほしいと観客に語りかけた。成長したバッキンガムとして第2クールから参加する杉田は、“リチャードを王にする”という思いがバッキンガムの行動原理となっていると前置きし、そのためバッキンガムはあまり周囲の情報を入れないようにしていると解釈し、自身もそれにならって意図的に物語を細かくチェックしていないことを明かす。日野は第2クールではケイツビーの熱い思いや、葛藤が描かれると語り、観客たちにこの先の展開を早く楽しんでほしいと述べた。

今年1月に完結を迎えた原作の印象を問われると、杉田は面白かったと語りつつも、物語で差し挟まれるギャグのどこまでが本気かわからず、“貴族ギャグ”と呼んでいることを明かし、ギャグとシリアスのバランスが素晴らしいとコメント。日野はもともと自身が世界史が好きであると語り、史実を軸にファンタジーを織り込んで描かれていることで、読みやすかったと話す。斎賀は原作者・菅野の繊細な絵柄で残酷な物語が紡がれる点が魅力であるといい、一度読み始めると最後まで読まないといけないという使命感に駆られる、と話した。

続けて、ともにアフレコを行うことが多かった3人が現場の様子を語っていく。日野からは現場の和気あいあいとした様子が明かされ、グリーンカレー好きの日野のために、杉田が知人のカレー屋が制作したレトルトのグリーンカレーを翌週に持参したエピソードが披露されると、会場には和やかな笑い声が。第2クールからの途中参加となる杉田は、戦争を題材とする「薔薇王の葬列」の壮大な雰囲気も相まって、現場の雰囲気を心配してたものの、斎賀がフランクに迎え入れてくれて助かったと感謝した。

最後に第2クールの見どころを問われた3人。斎賀は頭を悩ませながらも、いなくなったキャラクターたちがリチャードにどのような影響を与えているかということと、ベスのようなかわいらしいキャラクターを清涼剤にしてほしいとコメントする。バッキンガムを演じるうえで杉田は、常に彼の目線や心がどこを向いているかを意識していると語り、自分ではなかなか気付くことのできない第3の視点を得たときに、バッキンガムにどういう変化が生まれるかどうかを楽しみにしてほしいとアピール。日野は第2クールではバッキンガムとケイツビーが思いをぶつけるシーンがあると述べ、普段なかなか内面を明かさないケイツビーの、今までとは違う姿が見られると思う、と語った。

(c)菅野文(秋田書店)/薔薇王の葬列製作委員会